遊びをせんとや生まれけん ~ほぼ天涯孤独の早期リタイア~

働くだけの人生に納得できない社会不適合者が、早期リタイアという手段で明るい明日をめざそうとするブログです。

シンギュラリティの暗黒面について

加速度を上げて進化していくテクノロジーがもたらす技術的特異点「シンギュラリティ」。
その前後で、社会と人間のあり方は一変するといいます。


その理想的な未来像の一つが、人々は労働から完全に開放され、また不老不死を得るという物語です。
シンギュラリティの描く未来:人は労働からも孤独からも解放される

けれどその一方で、あまり有り難くない未来もまた予想できます。


過渡期の出来事かも知れませんが、その過渡期に遭遇するのは、わたしたちである可能性が高いようです。


技術的失業の「完全版」がやってくる?

議事録をAIが作ってくれる…でも喜んでばかりはいられない?
こちらの記事で触れたように、実際に人間の代わりを務められるAIが生まれ始めて、人間から職を奪うことが危惧されはじめています。


新しい技術革新による失業は、繰り返し起きてきたことではあります。
例えばかつて、自動車の普及によって、馬車を走らせる御者が失業したようなものです。


ただ、今回、シンギュラリティによって「人間と同等に様々な範囲の仕事をカバーすることができる」汎用人工知能というものが誕生した場合、人間ができる、そしてすべき仕事のすべてが、AIに取って代わられる可能性があります。


かつては御者を失業しても運転手になればよかった。
でも今度は、運転手の席にすでにAIが座っているというわけです。


AIが人の仕事のすべてを代替していくようになれば、「人は働くことから解放される」。けれどそれは逆に言えば完全に「仕事を奪われる」ということでもある。


例えば
シンギュラリティの描く未来:人は労働からも孤独からも解放される
で書いたような、エネルギーが潤沢に手に入り、衣食住が限りなく低コストで提供されるような未来までには、どうしたって時間がかかります。


しかもその提供主が営利目的の企業であれば、どうしたって無償というわけにはいかない。


働かなくてよくなった人間は、ではどうやって、衣食住を「買う」お金を手に入れるのでしょうか。


過渡期の混乱:ベーシックインカムの検討が急務な理由

その答えの一つとしては、ベーシックインカムが提唱されています。
生きるために最低限必要な費用を、政府が人々に支給するというもので、生活保護に近いでしょうか。


人工知能は失業を生むのか、そしてシンギュラリティは実現するのか!? | Catalyst

2030年頃に登場すると見られている汎用人工知能が普及すると、これまでの機械化経済から純粋機械化経済に移行し、機械だけが労働生産を行う経済が生まれ、こうした経済に移行した国では指数関数的に経済成長率が上昇すると考えられるという。


しかし、純粋機械化経済では、人間は労働から開放されるが、所得をどう得るのかという問題が浮上する。


井上氏はこの解決策の1つがベーシック・インカム(BI)と主張、フィンランドやオランダでは、すでにBIの実験・準備が進んでいることに言及し、人工知能時代を見据えて日本でもBIなどの解決策を議論するタイミングと付け加えた。


けれども、もしこの準備が間に合わない場合。
そして、技術的失業が広まるスピードが想像以上に速ければ、どんなことが起こるか。


・まず企業の人員整理が進み、大量の失業者が生まれる。
・そして、AIを先に導入した企業にシェアを奪われた企業が、倒産。
・さらに大量の失業者が生まれるとともに、その企業に出資していた銀行も立ち行かなくなり、預金封鎖が起こる。
・こうした現象が同時多発的に起こり、進んでいく。
・生活保護費が莫大になり、政府はAIの導入に成功した企業に重税を課そうとするが、企業はそれを嫌って海外に移転、またはタックスヘイブンにより逃れようとする。


結果として、AI導入に成功した国、企業に属する人々と、それに後れをとった国、企業に属する人々との、格差の極端な拡大。


…と、ものすごく暗い未来も、想像できてしまいます。


最終的には、上に書いたように衣食住のコストが限りなく0に近づき、ベーシックインカム制度等により人々への無償提供がなされるようになれば、こういった問題は解決していくと思われます。


ついてしまった格差は縮まらないかもしれませんが、AI導入に後れを取った国、企業に属する人々も、生きていくには困らないだけの環境を手に入れることができるでしょう。


ただ、そうなるまでにどれだけの混乱が続くのか。


進化していく新人類を見送り、滅びてゆく旧人類になるかもしれない

そして、格差というのは生活環境だけの話ではなく、進化という点にも及ぶかもしれません。


シンギュラリティ論者のひとたちは、最終的には人間はコンピューターと融合してさらなる知的な発展を遂げて新しい段階へ進んでいく、と語っています。


けれど、それが本当に万人に与えられるかどうかは、誰にもわからない。


ディストピアな想像ですが、過渡期を過ぎて落ち着いた社会でも、例えば、
進化に値する人間だけが選別され、コンピューターとの融合を許可され、新人類へと変化していく。
その一方で、それに値しないとされた人間は取り残され、旧人類として滅んでいく。

という未来だってあり得るわけです。


その選別の基準が、潜在的な能力、適応力などによる「公平な」ものであればまだいいですが、前時代的な選民思想がそこに入ってきたら。


まだ、人種差別だって根強く残っている世界です。
こうしたことが起こらないとは限らない。



あるいは、人類ぜんぶがAIに見捨てられて、進化していくAIを見送りながら滅びていく旧人類になるかもしれない。


また、まったく別の方向性でいえば、AIの取り合いで国同士がけんかを始めるかもしれないし、人間とAIがけんかを始めるかもしれない。
これは映画などでよく描かれるテーマですね。


最高の未来と、最低の未来を想像する。現実に起こることは、おそらくその真ん中あたり

だけど、現実的な視点を取り戻してみれば、そんな理想的な未来もすぐ来るとは思えないし、そんなに暗い未来に進むほど人類が愚かとも思いたくない。


現実的には、技術的失業とのバランスを見ながら、AIの利活用を、国が制御していき、必要であれば順次ベーシックインカム等の手を打っていくことにより、ゆるやかにシンギュラリティによる変化が、生活の中に浸透してくるのではないかと思います。
(そのためには、国家間の連携や、国と企業の連携が、どうしても必要になってくるとは思いますが)

混乱はあるかもしれませんが一時的なものでしょうし、格差も、現在以上にひどいことになることは、ないのではないでしょうか。(今でも十分ひどいので)


わたしの生きている間(あとせいぜい40年)に、生活レベルで起こりそうなことは、こんな感じかな、と想像してみます。


・ナノマシンによる治療が現実的なものとなり、治らない病気が減っていく。
・病気やケガ、加齢による人体の消耗をAIとナノマシンが補佐しQOLが向上する。
・エネルギーがより低コストで手に入るようになり、衣食住のコストが下がる。
・人間の労働時間はAIが補佐することによって減り、週に3日も働けばよくなる。
・バーチャルリアリティ、ミックスリアリティによる娯楽が広まる。
・故人の人格再現シミュレーションサービスが行われる。


これでも少し楽観的かな?



いずれにせよ、シンギュラリティはわたしたちの生活レベルに影響を与えてくると思います。
だからこそいたずらに恐れるのではなく、無責任に楽観視するのでもなく、情報を集めつつ見守っていきたいですね。


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