終戦の日に
戦争は、嫌だな。
というふうに、現代日本における大多数の人は、思ってると思います。
それは戦後教育の成果でもあるでしょうし、自分自身の何らかの体験から、骨身にしみてそう思っている人もいるでしょう。
私は戦後教育+本や映画やその他もろもろの情報から得た知識+これまでの人生経験から、
「戦争は、嫌だな」
と、思っています。
でも、なくせないだろうな、とも思っています。
戦争の原因は、食糧や土地などの資源を求めてであったり、支配・被支配の関係からであったり、宗教・思想の対立からであったり、「やられたからやりかえす」であったり、様々です。
たとえば、自分や自分の家族が飢餓状態におかれたら。
あるいは、奴隷状態におかれたら。
信じているものをまるっきり否定されたら。
家族や友人を奪われたりしたら。
または、「同志以外の一切は敵であり、我々を攻撃してくる」と教え込まれたら。
自分がその立場に置かれたら、戦争に加担するかもしれない。
それは、誰でも同じではないかと思うのです。
争いの火種は、人の心の奥深くに根差している欲望であったり怒りであったりします。
それは人が仏様でも神様でもなく人である限り、誰でも持っているもの。
戦争をなくすのならば、私たち一人ひとり、全員がそういうものを(最終的には自己保存本能を)乗り越えなくてはならないでしょう。
だから戦争をなくすことは、とてもとても難しいだろうな、と思います。
でも、より現実的な方法で言えば、火種を認識して、それを大きくしないようにすることはできる。
貧困を減らすこととか、
格差を減らすこととか、
歴史の認識を共有しようとすることとか、
様々な取り組みが今もなされています。
あやまちは繰り返してしまうかもしれない。
でも、あやまちからは学ぶようにしたい。
そして一歩でも半歩でも、戦争のない世界に向かって進んでいけたらいいですね。
戦争って、そんなに縁遠いものではないんですよね。
「ひめゆりの塔」を訪ねたとき、
「わたしたちにも、普通の青春があった」
と書かれていたのを読んだとき、それを感じました。
戦争を過去や遠い国のものにしないで、常に自分の身に引き寄せて考えてみる必要は、常にあると思います。