デフレマインドからの脱却、そのためには国の力も必要
日本の夏、値上げの夏。
6月になり、いろいろなものが予定通り値上げされて……いるのかな?スーパーでセール品を追っても5月より10円ほど値上がりしているので、そうなんでしょうね。
そしておそらく値上がりは秋以降も続くとの予想。
さらに90%値上がりする肥料もあるとか。今後、農作物の価格はどうなるのか。そもそも農家さんは大丈夫なのか。
今回の物価高、いろいろな要因が絡み合って起きていて、すぐには解決しそうにない気がします。
世界的な気候不順による農作物の不作。
そしてコロナや、ロシアのウクライナ侵攻、経済制裁や中国のロックダウンで、世界的に物流が乱れてエネルギーや物資が届きにくくなっている。
さらに各国がコロナ禍での金融緩和から引き締めに向かう中で金利を上げ、ゼロ金利の日本は金利差による円安でより一層輸入コストが上がる。
この辺りが物価高の要因なのかなと私は認識しています。
個人的にとても怖いです。
どこまで進むのか見えないのが一番怖い。
だからスーパーで、これまでより上がった値札を見ると拒否反応が出てしまい、より安いお店やセールを求めて走り回る……。
でも、ふと思いもしました。
この「ものは安くあるべき」というマインドそのものが、デフレ日本、経済的成長しにくい日本を作り上げてきた一因でもあるのかなあと。
節約に走って、できるだけものを買わない使わない生活をすることで、自分の生活は守れても、日本の経済はますます弱くなってしまうかもしれない。
野菜やお米やお肉、その他のものも、これまでだって作るのにかかる費用や作ってくれている人たち、私の手元へ届けてくれている人たちの労力を考えれば、もっと高くても良かったのかもしれない。
本来は一年で2%程度の穏やかなインフレは経済成長しているということ、作る人も買う人も豊かになっているということ、らしいので、今までほとんど値上がりのなかったことが異常だったのだと。
そのつけが一度に押し寄せているのかな、とも。
海外のインフレに比べて日本のインフレがまだ穏やかなように見えるのは、企業が値上がりの全てを価格に反映せず、一部を企業努力で賄っているからだとか。
でもそれっていつまでも続かないだろうし、そのままでは従業員の給料を上げるのなんてとても難しいですよね。
大企業ならまだ体力があるから行けるかもしれないけど、中小企業や個人経営の飲食店などは、無理をするとやっていけなくなってしまうかも。
もしそれで倒産が増えたら、職を失う人が増え、ますますものが売れにくくなり、不景気が加速する……なんて考えると怖くなります。
だから、生きていくために節約はするけれど、良いものづくりへの対価としての値上げを忌避するのは、やめようと思います。
その価値があると思えば多少高くても、買う。
これからも存在し続けて欲しいものには、ちゃんとお金をかける。
そういう風に気持ちを切り替えていこうと思いました。
先日から叩かれている黒田さんの発言も、言いたいことは、家庭が値上がりに耐えている間に賃金を上げて、経済活動の良い循環を作り出すのが大切、ということだったようで。
(表現は良くなかったと思います。値上がりに家計を圧迫されて、何とかやりくりしようとしている身からすれば、やっぱりムッとしますもん)
ただ、それにしてもね。
値上がりが急激すぎたら、まずは生きていくために高いものは買わない、安いものを選ぶという選択をせざるを得ない。
無い袖は振れない。
だから、ここは国の助けが必要だと思います。
消費税減税なり、一時金なり、電気ガス水道などインフラ料金の負担軽減なり。
一時的にでも、そうやって懐に余裕ができれば、値上がりにも耐えていける。
そうしたら企業もお店も、健全な経営のための値上げをしやすくなり、それは人に対する報酬、お給料にも回せるようになり(ここにも少し国の後押しが必要かもしれません、給料を増やすことで税制を優遇するとか)、お給料が増えれば人はもっと値上がりについていけるようになり……という良い循環ができる。
日本が経済成長していく弾みがつけられるかもしれない。
私はお給料をもらう身ではないですが、日本が経済成長すれば株価も上がるだろうし、そうすれば資産が増えるので大助かりです。
だから、政府さんには、恒久的にとは言わないけれど今のこの窮地を凌いで未来へ繋げるための、希望のある政策を実行して欲しいんですよね。
一億総株主も国民皆歯科健診もいいですけど、今はそれより大事なことがあるのでは、と個人的に思います。
庶民には逆立ちしても無理なこともある。ない袖はどうしたって振れない。
そこを、今は国がカバーして欲しい。
ちょっとでもいい。弾みをつけてくれれば、動き出せるかもしれない。
切にそう思います。